「外壁塗装は10年ごとに必要」――このような言葉を耳にしたことはありませんか?多くの方が、外壁塗装の目安時期としてこの「10年」という数字を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、本当に全ての住宅が10年で再塗装が必要なのでしょうか?塗料の種類や建物の環境、そして施工の質によっては、もっと早く劣化が進むこともあれば、逆に長く持たせることも可能です。
この目安を鵜呑みにしてしまうと、まだ必要ないのに無駄な費用をかけてしまったり、逆に劣化を見過ごしてしまい、住まいを深刻なダメージから守りきれなくなるリスクもあります。
本記事では、外壁塗装の耐用年数に関する正しい知識を、プロの視点から徹底的に解説します。塗料の種類ごとの具体的な寿命から、ご自宅の外壁が塗装時期を迎えているかどうかの劣化サインの見分け方、さらには大切な外壁塗装をより長く持たせるための秘訣まで、ファクトベースでご紹介します。この記事を読めば、あなたの住まいに本当に必要なメンテナンス時期と、賢く費用対効果を最大化する方法が明確になるでしょう。
≪目次≫
・「外壁塗装は10年ごと」って本当?プロが解説する耐用年数の真実
・外壁塗装の「耐用年数」とは?
・【塗料の種類別】外壁塗装の耐用年数と費用相場
・我が家の外壁は大丈夫?劣化サインを見逃さない!
・外壁塗装を「長持ちさせる」ための秘訣とメンテナンス
・まとめ
■「外壁塗装は10年ごと」って本当?プロが解説する耐用年数の真実
「外壁塗装は10年ごとに必要」――このような言葉を耳にしたことはありませんか?多くの方が、外壁塗装の目安時期としてこの「10年」という数字を思い浮かべるのではないでしょうか。住宅の外観を美しく保ち、建物の寿命を延ばすために定期的なメンテナンスが不可欠であることは間違いありません。しかし、この「10年ごと」という目安は、必ずしも全ての住宅に当てはまるわけではありません。
実際には、外壁塗装の適切なメンテナンス時期は、複数の要因によって大きく変動します。この目安を鵜呑みにしてしまうと、まだ必要ないのに無駄な費用をかけてしまったり、逆に劣化を見過ごしてしまい、住まいを深刻なダメージから守りきれなくなるリスクもあります。
-「10年ごと」が目安とされる理由
「10年ごと」という目安が広く認識されているのは、主に以下の二つの理由によります。
一般的な塗料の耐用年数:
過去に主流であったアクリル塗料やウレタン塗料、そして現在の主流であるシリコン塗料の多くが、約10年程度の耐用年数を持つとされてきたためです。特にシリコン塗料はコストパフォーマンスに優れ、広範囲で採用された結果、この「10年」という期間が一般的な目安として定着しました。
外壁材のメンテナンスサイクル:
外壁材の種類によっては、約10年で目地のコーキング材の劣化や、外壁材自体の保護機能の低下が見られることがあります。これらの劣化が進むと、雨水の侵入リスクが高まるため、外壁塗装と合わせてメンテナンスを行う時期として「10年」が推奨されることが多くありました。
-実際の外壁塗装の時期は「10年」だけではない
しかし、現在の外壁塗装においては、「10年ごと」という目安はあくまで一つの基準に過ぎません。以下の要因によって、実際のメンテナンス時期は前後します。
使用する塗料の進化:
近年では、フッ素塗料や無機塗料など、15年~25年以上の耐久性を持つ高機能な塗料が登場しています。これらの塗料を使用した場合、10年で再塗装を行うのは費用対効果の面で非効率的となる可能性があります。
建物の環境要因:
日当たり: 紫外線は塗膜の劣化を早める主要な原因の一つです。日当たりの良い南面や西面は、日当たりの悪い北面よりも早く劣化が進む傾向にあります。
風通しと湿度: 風通しが悪く湿気がこもりやすい場所は、コケやカビが発生しやすく、塗膜の劣化を早めることがあります。
立地環境: 塩釜市のような沿岸地域では、潮風による塩害が塗膜の劣化を加速させることがあります。また、交通量の多い道路沿いでは排気ガスによる汚れが付着しやすく、日当たりの悪い場所ではコケやカビが発生しやすいといった影響も受けます。
積雪: 積雪量の多い地域では、雪の重みや雪解け水による負担が塗膜に影響を与えることがあります。
下地処理や施工品質: 塗装の耐久性は、塗料そのものの性能だけでなく、塗装前の下地処理の丁寧さや職人の技術力に大きく左右されます。どんなに高価な塗料を使っても、下地処理が不十分であったり、適切な工程を踏まなかったりすれば、塗膜が早期に剥がれてしまい、本来の耐用年数を全うできません。
外壁材の種類: サイディング、モルタル、ALCなど、外壁材の種類によっても、劣化の進行度合いやメンテナンスの必要性が異なります。
このように、「10年ごと」という数字に縛られることなく、ご自宅の外壁の状態や使用されている塗料、そして立地環境を総合的に判断し、適切な時期にメンテナンスを行うことが、住まいを長く健康に保つための鍵となります。
■外壁塗装の「耐用年数」とは?
外壁塗装における「耐用年数」という言葉は、しばしば誤解されがちです。一般的に耳にする「耐用年数」には、大きく分けて「法定耐用年数」と「塗料の期待耐用年数」の二つがあります。外壁塗装のメンテナンス時期を判断する上で重要なのは、後者の「塗料の期待耐用年数」です。
-法定耐用年数と塗料の期待耐用年数の違い
法定耐用年数:
これは、税法上の減価償却を計算する際に用いられる年数のことで、建物の構造や用途によって国が定めています。例えば、木造住宅の法定耐用年数は22年、鉄骨鉄筋コンクリート造は47年などと定められています。しかし、この法定耐用年数は、実際に建物や塗装が物理的に使用できる期間を示すものではありません。あくまで税務上の目安であることを理解しておく必要があります。
塗料の期待耐用年数(物理的寿命):
私たちが外壁塗装のメンテナンス時期を考える上で最も重要となるのが、塗料メーカーが発表している「期待耐用年数」です。これは、特定の塗料が適切な環境下で、適切な施工方法によって塗布された場合に、その塗膜の機能(防水性、保護機能、美観など)を維持できると期待される期間を指します。一般的に、外壁塗装の「耐用年数」という場合、この塗料の期待耐用年数を指すことが多いです。
-外壁塗装の耐用年数を左右する主な要因
塗料メーカーが示す「期待耐用年数」はあくまで標準的な条件での目安です。実際には、以下のような複数の要因が複合的に作用し、外壁塗装の実際の寿命を決定します。
塗料の種類:
前述の通り、塗料の成分や性質によって、その耐久性は大きく異なります。例えば、アクリル塗料よりもシリコン塗料、シリコン塗料よりもフッ素塗料、無機塗料の方が期待耐用年数は長くなります。費用と耐久性のバランスを考慮した塗料選びが重要です。
環境要因(立地条件):
建物が置かれている環境は、塗膜の劣化速度に大きな影響を与えます。
日当たり:
紫外線は塗膜の劣化を早める主要な原因です。日当たりの良い南面や西面は、日当たりの悪い北面よりも早く色褪せやチョーキング現象(塗膜が粉状になる現象)が見られる傾向にあります。
風通しと湿度:
風通しが悪く湿気がこもりやすい場所は、コケやカビが発生しやすく、塗膜の表面を侵食し劣化を早めることがあります。
塩害:
塩釜市のような沿岸地域では、潮風に含まれる塩分が塗膜の劣化を加速させることがあります。塩害対策に特化した塗料の選定が非常に重要となります。
積雪:
積雪量の多い地域では、雪の重みや雪解け水による凍結・融解の繰り返しが塗膜に負担をかけ、ひび割れや剥がれの原因となることがあります。
交通量:
交通量の多い道路沿いの建物は、排気ガスや粉塵による汚れが付着しやすく、美観を損ねるだけでなく、塗膜の劣化を早める可能性もあります。
下地処理の質:
外壁塗装の耐久性を左右する上で、塗料の性能以上に重要と言われるのが、塗装前の下地処理の質です。
高圧洗浄で汚れや旧塗膜を徹底的に除去しているか
ひび割れ(クラック)や欠損部が適切に補修されているか
サイディングの目地や窓枠周りのシーリング(コーキング)が劣化していないか、適切に打ち替え・増し打ちされているか
これらの下地処理が不十分だと、どんなに高性能な塗料を塗っても、塗膜が下地にしっかり密着せず、早期の剥がれや膨れ、ひび割れの原因となり、本来の耐用年数を全うできません。
職人の技術力と施工品質:
塗料メーカーが推奨する正しい施工方法(規定の希釈率、乾燥時間、塗り回数など)を厳守し、経験豊富な職人が丁寧に作業を行うことで、塗料の性能を最大限に引き出し、塗膜の耐久性を高めることができます。例えば、基本となる下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りを怠ると、塗膜が薄くなり、本来の耐久性が発揮されません。
外壁材の種類:
外壁材自体も寿命があり、モルタル、サイディング、ALC、コンクリートなど、素材によって劣化の進行度合いやメンテナンスの必要性が異なります。外壁材の寿命と塗料の寿命を考慮した計画的なメンテナンスが望ましいです。
これらの要因を総合的に判断することが、ご自宅の外壁塗装の「本当の」耐用年数を把握し、適切なメンテナンス時期を見極める上で不可欠となります。
■【塗料の種類別】外壁塗装の耐用年数と費用相場
外壁塗装の耐用年数を決める最も大きな要因の一つは、使用する塗料の種類です。塗料は、主成分によってその耐久性や機能性、そして費用が大きく異なります。ここでは、現在一般的に使用されている主要な塗料の種類ごとに、それぞれの耐用年数と費用相場、特徴を比較しながら解説します。
注意点:
提示する費用相場は、一般的な30坪程度の戸建て住宅を想定した目安です。実際の費用は、建物の形状、劣化状況、下地処理の程度、職人の技術力、選ぶ業者によって変動します。耐用年数も、日当たりや風通し、塩害などの環境要因、そして適切な施工品質によって前後する可能性があります。
-アクリル塗料
耐用年数: 5~7年
費用相場(30坪目安): 50万円~80万円
特徴:
安価: 他の塗料に比べて費用が最も安価です。初期費用を抑えたい場合に選ばれることがあります。
色数が豊富: 発色が良く、カラーバリエーションが豊富なため、デザイン性を重視する方に適しています。
通気性: 塗膜に通気性があるため、内部の湿気を排出でき、特にモルタル外壁などによく使われます。
デメリット: 耐久性が低いため、塗り替えサイクルが短くなり、長期的なメンテナンスコストは高くなる傾向があります。
-ウレタン塗料
耐用年数: 8~10年
費用相場(30坪目安): 60万円~90万円
特徴:
密着性・弾力性: 塗膜が柔らかく、素材への密着性が高いため、ひび割れ(クラック)に強い特性があります。
防汚性: 汚れが付きにくい特性も持ち合わせています。
汎用性: 様々な素材に塗装できるため、木部や鉄部など、外壁以外の付帯部分の塗装にも広く用いられます。
デメリット: アクリル塗料よりは耐久性が高いものの、紫外線にはあまり強くなく、変色やチョーキング現象が見られることがあります。
-シリコン塗料(現在の主流)
耐用年数: 10~15年
費用相場(30坪目安): 70万円~110万円
特徴:
コストパフォーマンス: 耐久性、防汚性、耐候性、費用面でのバランスが非常に優れており、現在の外壁塗装で最も一般的に使用されている塗料です。
耐候性・防汚性: シリコン成分が汚れの付着を防ぎ、紫外線や雨風にも強いため、美観を長く保ちやすいです。
親水性: 親水性が高く、雨水が外壁の汚れを洗い流すセルフクリーニング効果も期待できます。
デメリット: フッ素塗料や無機塗料と比較すると、耐用年数は劣ります。
-フッ素塗料
耐用年数: 15~20年
費用相場(30坪目安): 90万円~140万円
特徴:
非常に高い耐久性: 航空機や高層ビルの外装にも使用されるほどの耐久性を持ち、長期間にわたって塗膜の性能を維持します。
耐候性・防汚性: 紫外線や酸性雨に非常に強く、汚れもつきにくい特性があります。
光沢維持:
美しい光沢を長期間維持できます。
デメリット:
塗料自体が高価であるため、初期費用は高くなります。しかし、メンテナンスサイクルが長くなるため、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れる場合もあります。
-無機塗料
耐用年数: 20~25年以上
費用相場(30坪目安): 100万円~150万円
特徴:
最長クラスの耐久性: 無機物(ガラスやセラミックなど)を主成分とするため、紫外線による劣化がほとんどなく、塗料の中では最も高い耐久性を持ちます。
超低汚染性:
汚れが付着しにくく、美観を非常に長く保てます。
不燃性:
火災に強いという特性も持ち合わせています。
デメリット:
塗料の費用が最も高額です。また、塗膜が硬いため、地震などで建物が揺れた際にひび割れが発生しやすいという特性もありますが、最近では柔軟性を持たせた製品も開発されています。
-機能性塗料の耐用年数への影響(遮熱塗料など)
上記で挙げた主要な塗料に、さらに特定の機能を持たせたものが機能性塗料です。これらの機能性塗料は、ベースとなる塗料(シリコン、フッ素、無機など)の耐用年数に準じることが一般的ですが、その機能によって間接的に建物の寿命や快適性に貢献します。
遮熱塗料:
太陽光を反射し、建物の表面温度の上昇を抑える塗料です。室内の温度上昇を抑制し、冷房費の節約にも繋がります [1]。塩釜市のように日差しの強い地域では、夏の快適性向上に大きく貢献します。遮熱機能自体が塗料の耐用年数を直接延ばすわけではありませんが、熱による塗膜の劣化を抑制する効果が期待できる場合もあります。
低汚染塗料:
雨水で汚れを洗い流すセルフクリーニング機能を持つ塗料です。美観を長く保ち、外壁の汚れによる塗膜の劣化を抑制する効果が期待できます。
光触媒塗料: 太陽光が当たることで汚れを分解し、雨水で洗い流す高いセルフクリーニング機能を持つ塗料です。
塗料選びは、単に費用だけでなく、ご自宅の立地環境(塩釜市であれば塩害対策)、外壁材の種類、そして「どれくらいの期間、美観と機能を維持したいか」というお客様のご要望によって最適なものが異なります。専門業者とよく相談し、費用対効果を考慮した上で最適な塗料を選定することが、後悔のない外壁塗装に繋がります。
■ 我が家の外壁は大丈夫?劣化サインを見逃さない!
外壁塗装の耐用年数は、使用する塗料の種類や施工品質によって大きく異なりますが、最も重要なのは「ご自宅の外壁が今、どのような状態にあるか」を把握することです。たとえ塗料の期待耐用年数がまだ来ていなくても、立地環境や施工時の問題によって劣化が早く進むこともあります。ここでは、ご自身で確認できる外壁の主な劣化サインと、それぞれのサインが示す危険度について解説します。これらのサインを見つけたら、放置せずに専門家へ相談することが重要です。
-外壁の主な劣化サインと目安時期
チョーキング現象(触ると白い粉が付着)
サイン:
外壁を手で触ると、チョークのような白い粉が手に付着します。これは塗料の顔料が紫外線や雨風によって分解され、粉状になって表面に現れる現象です。
危険度:
初期症状。塗膜の防水性や保護機能が低下し始めているサインです。すぐに建物に深刻な影響が出るわけではありませんが、塗装時期が近づいていることを示唆しています。
対策:
チョーキングが見られたら、そろそろ塗装を検討する時期です。放置すると、塗膜の劣化がさらに進み、ひび割れや剥がれに繋がる可能性があります。
-色褪せ・変色
サイン:
以前よりも外壁の色が薄くなったり、ムラになったりしている状態です。
危険度:
初期~中期症状。塗膜が紫外線によって劣化し、顔料が破壊されている証拠です。美観を損ねるだけでなく、塗膜の保護機能も低下しています。
対策:
美観を回復させたい場合は塗装の検討時期です。保護機能の低下が進む前に対応することが望ましいです。特に日当たりの良い南面や西面で目立ちやすいサインです。
-ひび割れ(クラック)
サイン:
外壁の表面に線状の亀裂が入っている状態です。
危険度:
中期~重度症状。ひび割れの幅や深さによって危険度が異なります。
ヘアークラック(幅0.3mm未満、深さ4mm未満):
表面的なひび割れで、緊急性は低いことが多いですが、放置すると内部に雨水が浸透する可能性があります。
構造クラック(幅0.3mm以上、深さ4mm以上):
構造体にも影響を与えている可能性のある深刻なひび割れです。雨水が内部に浸入し、柱や梁の腐食、シロアリの発生、断熱材の劣化など、建物全体に甚大なダメージを与えるリスクが非常に高いです。
対策:
ひび割れを見つけたら、すぐに専門業者に相談し、診断してもらいましょう。特に構造クラックの場合は、早急な補修が必要です。
-塗膜の剥がれ・浮き
サイン:
外壁の塗膜が部分的に剥がれていたり、膨らんで浮いている状態です。
危険度:
中期~重度症状。塗膜の保護機能が完全に失われている部分であり、外壁材がむき出しになっています。この状態を放置すると、外壁材自体が劣化し、雨漏りや建物の構造へのダメージに直結します。
原因:
下地処理の不備、塗料の選定ミス、結露による内部からの圧力などが考えられます。
対策:
早急に補修・再塗装が必要です。剥がれている範囲が広がる前に対応しましょう。
-コケ・カビの発生
サイン:
外壁の表面に緑色のコケや、黒っぽいカビが発生している状態です。特に日当たりの悪い北面や、湿気がこもりやすい場所、植栽の近くなどで見られます。
危険度:
初期~中期症状。美観を損ねるだけでなく、コケやカビは水分を保持するため、塗膜の劣化や外壁材の傷みを早める原因となります。また、アレルギーの原因になることもあります。
対策:
高圧洗浄である程度除去できますが、根本的な解決には再塗装が必要です。防カビ・防藻機能を持つ塗料を選ぶことで再発を抑えられます。
-シーリング(コーキング)のひび割れ・硬化・剥離
サイン:
サイディングボードの継ぎ目や、窓サッシ周りに充填されているシーリング材が、ひび割れたり、硬くなって弾力性が失われたり、外壁材から剥がれて隙間ができている状態です。
危険度:
中期~重度症状。シーリング材は外壁の防水性を保つ上で非常に重要な役割を担っています。この部分の劣化は、雨水が建物内部に直接侵入する主要な原因となり、雨漏りや下地材の腐食に直結します。
対策:
早急にシーリングの打ち替え・増し打ちが必要です。外壁塗装の際には必ずシーリングの点検と補修が行われます。
これらの劣化サインは、外壁塗装の時期を判断するための重要な目安となります。「10年」という数字に縛られず、ご自宅の外壁を定期的にチェックし、これらのサインを見つけたら、まずは専門業者に相談して正確な診断を受けることをお勧めします。
■外壁塗装を「長持ちさせる」ための秘訣とメンテナンス
外壁塗装は一度行えば終わりではありません。塗料の期待耐用年数を最大限に引き出し、住まいを長く美しく保つためには、適切な施工と定期的なメンテナンスが不可欠です。ここでは、外壁塗装を長持ちさせるための重要な秘訣と、ご自身でできる簡単なメンテナンス方法をご紹介します。
-品質を左右する「適切な施工」の重要性
どんなに高価で耐久性の高い塗料を選んでも、施工品質が伴わなければ、その塗料が持つ本来の性能を発揮することはできません。外壁塗装を長持ちさせる上で最も重要なのは、「適切な施工」を行う業者を選ぶことです。
丁寧な下地処理の徹底:
塗装工事の約8割は下地処理で決まると言われるほど、この工程は重要です。外壁に付着した汚れ、コケ、カビ、古い塗膜の剥がれなどを高圧洗浄で徹底的に除去し、ひび割れや欠損部を適切に補修する作業が、塗料の密着性を高める上で不可欠です [19]。
特に、シーリング材の劣化(ひび割れ、硬化、剥離)は雨漏りの原因となるため、塗装前に必ず打ち替えや増し打ちを行うべきです。下地処理が不十分だと、塗料がしっかりと密着せず、数年で剥がれや膨れが発生し、本来の耐用年数を大幅に下回ってしまいます。
正しい施工方法の厳守:
塗料メーカーが推奨する正しい施工方法を厳守することも重要です。
「3回塗り」の徹底: 外壁塗装は一般的に、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本です。下塗りで下地と塗料の密着性を高め、中塗りと上塗りで塗料本来の性能(耐久性、防水性、美観など)を発揮させます。この3回塗りを省略したり、塗料を過度に薄めたりする手抜き工事は、塗膜が薄くなり、耐久性が著しく低下する原因となります。
乾燥時間の厳守:
各工程間の乾燥時間をしっかり守ることも品質維持には不可欠です。乾燥が不十分なまま次の工程に進むと、塗膜の剥がれや膨れの原因となります。
熟練した職人の技術力:
塗装は職人の手作業によって行われるため、その技術力が仕上がりの美しさや耐久性に直結します。経験豊富な職人は、塗料の特性を最大限に引き出し、ムラなく均一な塗膜を形成し、建物の隅々まで丁寧に仕上げることができます。
-定期的なセルフチェックとプロによる点検
外壁塗装の寿命を延ばすためには、日頃からの意識と専門家による定期的な診断が重要です。
定期的なセルフチェック:
半年に一度程度、ご自身で外壁全体をチェックする習慣をつけましょう。特に、日当たりが悪い場所(北面)、湿気がこもりやすい場所、植栽の近く、雨がよく当たる場所などは劣化が早く進みやすい傾向があります。
「我が家の外壁は大丈夫?劣化サインを見逃さない!」で解説したチョーキング、色褪せ、ひび割れ、コケ・カビ、シーリングの劣化などを確認します。
写真での記録:
気になる箇所があれば、日付とともに写真を撮っておくことをお勧めします。時間経過による変化を把握しやすくなります。
プロによる定期点検の活用:
外壁塗装後も、業者によっては定期点検サービスを提供している場合があります。専門家による定期的な点検は、ご自身では気づきにくい初期の劣化サインを発見し、適切なタイミングで補修を行う上で非常に有効です。
保証期間内での点検はもちろん、保証期間終了後も数年に一度はプロによる診断を受けることを検討しましょう。
-日常的な清掃とメンテナンス
外壁の汚れを放置しないことも、塗膜の劣化を遅らせ、美観を保つ上で役立ちます。
簡単な清掃:
砂埃や軽い土汚れ程度であれば、ホースで水をかけるだけでも効果があります。ただし、強い水圧で直接外壁に水をかけるのは避けましょう。
高い場所の清掃や、頑固なコケ・カビの除去は危険を伴うため、無理せず専門業者に依頼することを検討してください。
高圧洗浄の活用:
コケやカビが広範囲に発生している場合や、長年の汚れが蓄積している場合は、専門業者による高圧洗浄が有効です。ただし、セルフで行う高圧洗浄は、塗膜を傷つけたり、水が内部に侵入したりするリスクがあるため、専門知識が必要です。
加藤建装でも、外回り洗浄作業を承っており、玄関前の床やカーポート、タイル、塀などの清掃も可能です 。
これらの秘訣とメンテナンスを実践することで、外壁塗装の耐用年数を最大限に延ばし、大切な住まいを長期にわたって保護し、美しい状態を維持することが可能になります。
■まとめ
本記事では、「外壁塗装は10年ごと」という一般的な目安の真実から、塗料の種類ごとの耐用年数、そしてご自宅の外壁が塗装時期を迎えているかどうかを判断するための劣化サイン、さらには外壁塗装をより長く持たせるための秘訣までを詳しく解説しました。
外壁塗装の時期は、単に「築〇年」という数字だけで判断するものではありません。使用されている塗料の種類、建物が置かれている環境(日当たり、風通し、湿度、積雪、そして塩釜市のような沿岸地域特有の塩害など)、そして何よりも塗装前の下地処理の質や職人の技術力が、塗膜の寿命に大きく影響します。
また、外壁に現れるチョーキング現象、色褪せ、ひび割れ、塗膜の剥がれ、コケ・カビ、シーリングの劣化といったサインは、塗装時期を判断する上で非常に重要な手がかりとなります。これらのサインを見逃さず、早期に専門家へ相談することが、将来的な大きな修繕費用を防ぎ、住まいを長く健康に保つための鍵です。
高耐久な塗料を選ぶことももちろん重要ですが、それに加えて、丁寧な下地処理と正しい施工方法を厳守する熟練の職人を選ぶことが、外壁塗装の費用対効果を最大化し、塗膜を期待耐用年数まで長持ちさせるための最も重要なポイントです。定期的なセルフチェックとプロによる点検、適切な清掃を組み合わせることで、大切な住まいを長期にわたって保護し、美しい状態を維持することが可能になります。
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